
金運といえばお稲荷さん。そういう感覚を持っている方は多いと思います。
日本全国に約3万社あるとされる稲荷神社。コンビニより多いと言われるほど身近な存在です。それだけ信仰されてきた理由が、お稲荷さんの持つご利益の幅広さにあります。
お稲荷さんとはどんな神様か
稲荷神(いなりのかみ)は、もともと稲、食物、農業を司る神様でした。五穀豊穣の神として、古くから信仰されてきた歴史があります。
農業が主産業だった時代に、食物や豊作を司る神への信仰が厚かったのは自然なことです。そしてその流れから、豊かさ、富、商売繁盛へとご利益が広がっていきました。
現代では商売繁盛、金運、仕事運、縁結び、家内安全など、幅広いご利益を持つ神様として信仰されています。
キツネはお稲荷さんの使いとされています。稲荷神社の入口に、狛犬ではなくキツネの像が置かれているのはそのためです。
神社の稲荷と、お寺の稲荷は違います
先に知っておくと混乱しません。
稲荷には、神道系と仏教系があります。
神道系
総本社は伏見稲荷大社です。お祀りされているのは宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)。作法は二礼二拍手一礼です。
仏教系
豊川稲荷(愛知)が知られています。こちらは妙厳寺というお寺で、お祀りされているのは荼枳尼天(だきにてん)。拍手は打たず、手を合わせます。真言を唱えるのはこちらです。
同じ「お稲荷さん」と呼ばれていても、別の神仏です。どちらが上ということはありません。ただ、作法が違うので、行く前に確認しておくと安心です。
お稲荷さんが商売繁盛に強い理由
豊かさそのものを司る神様、という性質から来ています。
農業の豊作から始まり、商人の商売繁盛、現代のビジネスの成功まで。豊かさを生み出す活動全般を後押しする神様として信仰されてきました。
個人事業主、フリーランス、起業家。自分の力で豊かさを生み出そうとしている方との相性が、特に良いとされています。
才能や表現を通じた豊かさを求めるなら、弁財天と金運のほうが近いかもしれません。同じ金運でも、性質が違います。
「お稲荷さんは怖い」と言われる理由
これは、はっきり書いておきます。
信仰を途中でやめると祟る。お礼参りをしないと怖い。そういう言い伝えがあります。
ただ、伏見稲荷大社をはじめとする稲荷神社が、そういう教えを説いているわけではありません。民間に広まった言い伝えです。
なぜ広まったのか。おそらく、商売をする人が多く信仰したからだと思います。商売には浮き沈みがあります。うまくいかなくなったとき、信仰をやめたからだ、という説明がつけられてきた。そういう積み重ねではないでしょうか。
参拝をやめても、罰は当たりません
引っ越しで行けなくなる、生活が変わる。そういうことは誰にでもあります。行けなくなったときは、行ける日にお礼を伝えればいいですし、遠方なら心の中で伝えるだけでも構いません。
怖い神様だから近づかないほうがいい、ではなく、誠実に向き合うと良い関係になる神様。そう受け取るほうが実態に近いと思います。
不安を抱えたまま参拝するより、その不安を置いてから行ってください。
お礼参りについて
願いが叶ったら、お礼を伝えに行く。これはお稲荷さんに限らず、参拝の基本です。
期限はありません。叶ったことに気づいたときに、行ける日に行けば十分です。
遠方で行けない場合は、近くの稲荷神社でも構いません。全国の稲荷神社の多くは、伏見稲荷から分霊されたものです。
初午(はつうま)
稲荷神社にとって、一年で最も大切な日です。
2月の最初の午の日で、伏見稲荷大社に神様が降りたとされる日にちなんでいます。全国の稲荷神社で初午祭が行われ、油揚げやいなり寿司を供える習慣があります。
この日に参拝すると、ご利益が大きいとされます。
ただ、初午でなければいけないわけではありません。行ける日に行くのがいちばんです。
お供え物
伝統的に使われてきたのは、神酒、赤飯、油揚げです。
お酒を奉納することは、正式なお供えとして昔から行われてきました。参拝の際に持参して奉納すると、縁を深める行為として良いとされています。
油揚げは、キツネの好物とされたことから供えられるようになりました。いなり寿司の名前も、ここから来ています。
なお、多くの神社では、お供えを置いたまま帰ることを禁止しています。動物が荒らしたり、傷んだりするためです。持ち帰るか、社務所に納めてください。
千本鳥居とお塚
伏見稲荷を訪れるなら、知っておくと戸惑いません。
赤い鳥居が続く千本鳥居は有名ですが、あの鳥居は個人や企業が願いを込めて奉納したものです。今も奉納を受け付けています。
赤(朱)は、生命力や魔除けの色とされてきました。
そして、山を登っていくと、無数の小さな祠と石碑が並ぶ一帯に出ます。お塚と呼ばれる場所です。
ここは、個人や団体が自分の信仰する神様を祀っている場所で、観光地ではありません。写真を撮ることや、興味本位で立ち入ることは控えたほうがいい場所です。静かに通り過ぎてください。
山頂まで往復すると2時間ほどかかります。歩きやすい靴で行ってください。
参拝のしかた
神道系の稲荷神社なら、二礼二拍手一礼が基本です。
大切なのは、お願いをするだけで終わらないことです。
今ある豊かさへの感謝を先に伝えて、これから何を成し遂げたいかを伝える。そして叶ったときにはお礼を伝えに行く。この流れが、良い関係を作るとされています。
参拝の基本や氏神様との付き合い方は、パワースポットの選び方にまとめています。
日常でお稲荷さんとつながる
お供えをする
自宅に稲荷神社のお札がある場合、油揚げやお酒を供えて感謝を伝えられます。
赤を取り入れる
鳥居の赤は、生命力と魔除けの色とされます。財布や小物に赤を使うことで、日常に呼び込むとも言われます。
真言を唱える
仏教系のお稲荷さん(荼枳尼天)の真言は「おん きりかく そわか」です。神道系の稲荷神社には真言という概念がないので、豊川稲荷などにお参りする場合に使ってください。
自宅の稲荷のお札や祠について
これは実際に困る方がいるところです。
引っ越しで持っていけない。祀っていた方が亡くなって、どうしていいかわからない。古い祠が庭にある。
お札 いただいた神社に納めるのが基本です。遠方なら、近くの神社で引き取ってもらえることが多いです。年末年始のお焚き上げに出す方法もあります。
祠 自分で処分せず、神社に相談してください。魂抜きやお焚き上げをしてもらえます。費用は神社によりますが、事前に問い合わせれば教えてもらえます。
放置するのがいちばん良くありません。扱いに困ったら、まず近くの神社に電話してみてください。相談を受け慣れています。
お稲荷さんに好かれる人
縁が深いとされる方の特徴として、こんなものが語られます。
自分の力で豊かさを作ろうとしている。感謝を忘れない。誠実に仕事をしている。約束を守る。
反対に、楽して儲けたい、他人を踏み台にして成功したい。そういう意識が強い方とは相性が良くないとも言われます。
お稲荷さんのご利益は、誠実に努力した先に豊かさを届けてくれる性質のもの。そう捉えておくといいと思います。
よくある質問
Q. お稲荷さんの信仰をやめたいのですが
A. やめても罰は当たりません。気になるなら、一度お参りして、これまでのお礼を伝えてきてください。それで十分です。
Q. お礼参りを何年もしていません
A. 期限はありません。気づいたときに行けば大丈夫です。行けないなら、心の中で伝えるだけでも構いません。
Q. 神社とお寺、どちらのお稲荷さんに行けばいいですか
A. どちらでも構いません。作法だけ確認してから行ってください。
Q. キツネを見かけたら何か意味がありますか
A. 神使とされているので、縁があったと受け取る方が多いです。
Q. 初午に行けません
A. 行ける日に行ってください。初午は日程を決めるきっかけであって、条件ではありません。
まとめ
お稲荷さんは、豊かさを生み出す活動を後押しする神様です。
商売、仕事、自分の力で何かを立ち上げること。そこに向き合っている方と、特に縁が深いとされます。
怖い神様ではありません。誠実に関わると良い関係になる神様です。
まずは、近くの稲荷神社に参拝するところから始めてみてください。








[…] 商売繁盛や仕事運そのものを願うなら、お稲荷さんと金運のほうが向いています。同じ金運でも、性質が違います。 […]