
「不安」と「回避」の2つのものさしで、
人と近づくときのあなたの位置を地図にします。
全12問・所要時間は約2分です。
今の恋人、または過去の恋愛を思い浮かべて答えてください。
相談窓口を探す(厚生労働省「まもろうよ こころ」)
大人の愛着を「不安」と「回避」の2つの軸でとらえる心理学の考え方をもとにしています。
愛着スタイルは、安心できる人との関係の中で変わっていくものです。医学的な診断ではありません。
全12問です。「関係の中でどれくらい不安になるか」と「近づくことにどれくらい抵抗があるか」の2つの軸で、4つのタイプのどこに近いかを見ます。2つのタイプの境目に近い人には、そのことも表示されます。
「彼、たぶん回避型なんです。だからもう期待するのやめました」
そう話していた人が、30分後に「でも昨日、インスタのストーリー見てて」と言い出す。こういう揺れ方をする人は、珍しくありません。
期待をやめた人は、相手のタイプを調べたりしないし、ストーリーの更新時刻を追いかけたりもしません。回避型だと見立てた時点で、その人はまだ全力で関わっています。
愛着スタイルを知ることには、ちゃんと意味があります。分かれ道は、知ったあとの使い方。相手を分類する道具にすると関係は終わりへ向かい、自分の反応を見る道具にすると、長年のパターンから少しずつ抜けていけます。
見捨てられ不安と、試し行動
不安型の人が苦しくなりやすいのが、見捨てられ不安です。大切な人に見捨てられるのではないかという強い怖さで、恋人だけでなく、友人や家族との間でも起こります。
形はいくつかあります。「私のこと好き?」と何度も確かめる。連絡がないと、何度もメッセージを送る。嫌われないように、断れずに無理な要求ものむ。傷つく前に、自分から関係を終わらせる。
いちばん関係を壊しやすいのが、試し行動です。わざとそっけなくして、追いかけてくるか見る。返信を遅らせる。別れをほのめかす。
試し行動が関係を壊すしくみ
試しているとき、心の中ではこう思っています。
「本当に私を大切に思っているなら、これくらいで離れないはず」
でも、相手から見ると、理由がわからないまま冷たくされ、突然責められ、何を言っても否定される状態です。疲れた相手が距離を置くと、「やっぱり見捨てられた」と確信する。怖れていたことを、自分で作り出してしまいます。
アメリカの心理学者ジェラルディン・ダウニーらは1998年、拒絶に敏感な人とその恋人を調べました。拒絶されることに敏感な人ほど、言い争いの場面で相手を責めるような言動が増え、それが相手の反発を引き出していました。関係も終わりやすかったそうです。拒絶を恐れる気持ちが、拒絶を呼び込む形になっていました。
試しているときの自分に気づく
試し行動は、多くの場合、無意識です。自覚がないので、次の3つを目安にしてみてください。
- 相手の反応を見るために、何かをしていないか(返信しない、そっけなくする、別れをほのめかす)
- 「これで離れるなら、それまでの人」と思っていないか
- 確かめたあと、安心が続かず、また確かめたくなっていないか
このループに入っていると気づくことが、最初の一歩です。気づくのがあとになっても構いません。「さっきのは試してた。ごめん」と言えたら、それも十分な進歩です。
試す代わりに、伝える
試すほうが、伝えるより楽です。直接聞けば、断られるかもしれないからです。でも、関係を良くするのは伝えるほうです。
「連絡がないと不安になるの。あなたが悪いわけじゃなくて、私の昔からのくせなんだけど」
伝えるときは、お願いを具体的にします。「出かけるときに一言教えてほしい」「返信できないときは、その旨だけ送ってほしい」。曖昧なお願いには、相手も応えようがありません。
ただ、不安を伝えることと、相手に全部背負わせることは別です。「不安だから、いつも連絡して」「一人にしないで」が続くと、相手が消耗して離れていき、また不安が強まります。不安のケアは、最後は自分の側の作業です。相手にできるのは、その手伝いまでです。
不安が消えるのは、あと
見捨てられ不安は、完全にはゼロにならないかもしれません。
変化は、先に「不安を感じなくなる」形では来ません。先に「不安があっても、行動に移さなくなる」形で来ます。不安になる。でも試さない。確認せずに待てる。一人でも落ち着いていられる。不安は残ったまま、それに振り回されなくなる。それが現実的な回復の形です。
一人の時間を少しずつ増やす練習も助けになります。一人でカフェに行く、一人で映画を見る。一人でいることと、見捨てられることは違う。その違いを、体で覚えていきます。
幼い頃につくられた「人との関わり方の癖」
赤ちゃんの頃、泣いたら誰かが来てくれたか。来てくれたとして、毎回だったか、ときどきだったか。
愛着スタイルは、そういう養育者とのやりとりの中でつくられた、人との距離の取り方のパターンです。
提唱したのはイギリスの精神科医ジョン・ボウルビィ。第二次世界大戦後、ボウルビィは、親を失って施設で育った子どもたちに深刻な情緒的問題が出ていることに注目しました。そして、食事や住まいが足りていても、安全で安心できる養育者との絆がなければ子どもの心は育たないと結論づけます。
これを実験で確かめたのが、アメリカの心理学者メアリー・エインズワースです。1〜2歳の子どもと母親を部屋に入れ、母親が出ていったとき、戻ってきたときの子どもの反応を観察する。「ストレンジ・シチュエーション法」と呼ばれる方法です。ここから3つの型が見つかり、のちにメアリー・メインらが4つ目を加えました。
大人の恋愛の研究では、近づきたいのに怖いという4つ目の型を「恐れ・回避型」と呼び、この記事の診断でもその名前を使います。子どもの研究の「混乱型(無秩序型)」とは別の研究から出た分類ですが、似た特徴をもつ型として並べて語られることが多いです。
覚えていない時期の話なのに、体は覚えている。大人になってから、頭では分かっていても同じ行動を繰り返してしまうのはそのせいです。
親を責めたいわけではありません。親にも余裕がなかったのかもしれないし、その時代の育児法に従っただけかもしれない。原因探しより、今の自分を見るほうが早く楽になれます。
4つのタイプと、恋愛での現れ方
安定した
養育者が一貫して応えてくれた人です。泣けば来てくれる、という経験が積み重なっています。
大人になると、親密になることも一人でいることも、そこまで怖くありません。ケンカをしても、いったん頭を冷やしてから話し合って、ちゃんと着地できる。相手を尊重しながら、自分の希望もちゃんと口にできます。
回避
「泣くな」「甘えるな」と言われて育った。あるいは、養育者が感情的に距離を取っていた。
ストレンジ・シチュエーション法で、回避型の子どもは母親が出ていっても泣きません。平然として見える。ところが心拍数を測ると、実際には強いストレス反応が出ていました。平気なんじゃない。平気なふりが、とても上手になっている。
大人の恋愛では、付き合うまでに時間がかかる、好きだと言葉にしない、距離を詰められると逃げたくなる、といった形で出ます。冷たいと言われがちですが、感情がないわけではありません。表し方を教わる機会がないまま大人になった、それだけのことです。
不安型
機嫌がいいときは愛情深く、悪いときは冷たい。養育者の対応が一貫せず、いつ愛してもらえるか分からない環境で育った人です。
相手の反応には、とても敏感です。既読がつかない、返信が短い。そんな小さな変化で不安が跳ね上がり、連絡が増え、相手の行動が気になって、愛されているかを確かめたくなる。
試す行動も出やすい。わざと突き放して追いかけてくるか見る、返信を遅らせる、別れをほのめかす。そうやって相手が疲れて離れていくと「やっぱり私は愛されない」という思い込みが強まってしまいます。
意外かもしれませんが、この型の人が自分を回避型だと思っていることもあります。人と深く関わるのが苦手だ、一人が気楽だ、と。話を聞いていくと、深入りする前に傷つくのが怖くて、先に引いていただけだった。そういうケースが少なくありません。セルフ診断は自己イメージのフィルターを通るので、結果と実感がずれたら、その違和感のほうをメモしておいてください。あとで大事な手がかりになります。
恐れ・回避型(混乱型)
養育者が安心の源であると同時に恐怖の源でもあった人で、虐待やネグレクト、養育者自身の未解決のトラウマなどが背景にあります。
近づきたい。でも怖い。激しく愛したかと思えば、突然距離を置く。理想化と幻滅を繰り返しやすく、共依存やDV関係に巻き込まれることもあります。
診断で恐れ・回避型と出た人みんなに、こうした背景があるわけではありません。好きになるほど不安になり、近づかれると逃げたくなる。その揺れが強く出ている、という意味です。
今の関係で暴力や強い支配があるなら、そこから離れることを何より優先してください。一人で取り組むのが難しいときは、トラウマを扱える専門家を頼ってください。
まず自分のタイプを見てみる
結果が出たら、次の章へ。ここからが本題です。
「あの人は回避型だから」が関係を壊す
診断を受けた人が次にやりたくなるのは、たいてい相手の診断です。
自分は不安型だった。すると、追いかけても手応えのなかったあの人は回避型だったんだ、という説明が手に入る。
ほっとします。自分がおかしかったわけじゃない、相性の問題だった。そう思えるから。
困るのはそのあと。この楽さは続きません。
「諦めます」と言いながら確認しに行く
このラベルは、諦める理由として使われます。この人は変わらないから、期待するだけ無駄だから、と。
けれど不安型の見捨てられ不安は、ラベルを貼っても消えません。説明がついただけ。
それで、確認しに行くことになります。「あなたって回避型だよね」「愛着障害って知ってる?」「この記事読んでみて」。本人は諦めたつもりでいるので、これが相手の反応を引き出そうとする確認行動だとは気づいていません。相手を理解しようとしているだけ、という感覚です。
言われた側は?自分の内面を勝手に分類され、変わるべき欠陥として指摘された、と受け取ります。
責められると、回避型の人は距離を取ります。でもこれは回避型に限った話でもなくて、内面を勝手に分類されて欠陥として指摘されれば、たいていの人は身を引きます。
相手は離れます。ラベルを貼った側は「やっぱり回避型だった」と確信を深めます。診断が当たったように見えて、実際には診断の使い方が結果をつくっています。
相手の分析が進むほど、自分のことが分からなくなる
このパターンには、副作用もあります。
彼のタイプ、彼の生育歴、彼が変わる可能性。そこを考えているあいだ、自分がその関係でどうしたいのかは、一度も検討されていません。
「で、私はどうしたいんだろう」と自分に聞いてみると、答えが出てこないことがよくあります。攻略法は詳しく調べてあるのに、続けたいのか終わりにしたいのかは決めていない。
彼が回避型かどうかは、あなたが決めることではありません。あなたが決められるのは、自分がどうしたいかだけ。逆に言えば、そこは誰にも奪われない、あなたの持ち分です。
診断結果は、自分の反応を見るために使う
同じ診断でも、使い方しだいで働きがまるで変わります。
不安型と出たなら、次に不安が跳ね上がった瞬間を観察してみてください。返信が来ない、そっけない返事が来た、予定をキャンセルされた。そのとき体に何が起きているか。
胸がぎゅっとなって、指が勝手にスマホを触り、頭の中では最悪の展開がもう再生されている。この一連が始まったら、いったん見てみます。目の前の出来事の大きさに対して、反応が大きすぎないか。多くの場合、反応している相手は今の恋人より、小さい頃に置き去りにされたときの感覚のほうです。
分かれ目は、ここで一拍置けるかどうか。私がよく勧めるのは、送信ボタンを押す前に「これは今の話か、昔の話か」と自分に聞くこと。今の話なら送ればいい。昔の話なら、送っても安心は返ってきません。返信が来た瞬間は落ち着いても、しばらくするとまた同じ場所に戻ってくる。昔の話のやっかいなところです。
送らずに、スマホを伏せて寝られた夜。それはもう、小さくない一歩です。
回避型と出たなら、逃げたくなった瞬間を記録してみてください。相手が距離を詰めてきたとき、将来の話が出たとき、感情をぶつけられたとき。逃げる直前に自分が何を感じているのかを言葉にできるようになると、反射的に距離を取ることが少しずつ減っていきます。
書く場所はどこでも。感じたことを3つ書くだけで、自分の感情に名前をつける練習になります。
親密になると逃げたくなる感覚をもう少し詳しく見たい方は、愛されるのが怖い心理とは?の記事に書いています。
変わっていった人に共通していたこと
愛着スタイルは固定されたものではありません。不安定な愛着を持って育っても、あとから安定した状態を身につけた人を「獲得安定型(Earned Secure Attachment)」と呼びます。
実際に変わっていく人には、いくつか共通点があります。
まず、相手を変えようとするのをやめていたこと。パートナーの愛着スタイルを分析していた時間が、そのまま自分の反応を見る時間に置き換わっていました。
恋愛以外の関係で練習していたのも共通点です。恋愛は愛着のパターンがいちばん強く出る場面なので、いきなりそこで新しい振る舞いを試すのは難しい。友人や職場の人との間で、頼る、断る、正直に伝える、といったことを小さく試している人ほど、変化が早かったです。
そして、急がなかった。何年もかけてつくられたパターンが、診断の翌日に変わることはありません。変化を目標にしすぎると、変われない自分を責める材料が増えていくだけです。
安定型の人と過ごす時間も効きます。恋人でなくても。連絡すれば返ってくる、約束は守られる、機嫌で態度が変わらない。そういう予測できる応え方をしてくれる人が身近にいると、それだけで神経系が学び直していきます。この当たり前を何度も経験することが、頭で理解するより先に効いてきます。
反対に、止まりやすかった人もいます。知識だけが増えていく人です。愛着理論の本を何冊も読み、専門用語で自分を説明できるようになったのに、行動は何ひとつ変わっていない。分析は、動かずにいるための道具にもなってしまいます。
次に不安が来たとき、一拍置けたら十分です。
よくある質問
Q. 愛着スタイルは一生変わりませんか
A. 変わります。セラピーや、安定した人との関係を通じて、獲得安定型になる人は珍しくありません。
Q. 愛着障害と愛着スタイルは同じものですか
A. 違います。愛着スタイルは正常な範囲の個人差です。愛着障害は深刻なネグレクトや虐待によって生じる医学的な診断名で、専門家が判断します。診断で不安定型が出ても、それは障害ではありません。
Q. 良い親だったのに、不安定な愛着になることはありますか
A. あります。親が愛情深くても、病気、離婚、死別、経済的な困難などで一時的に応えられない時期があると、不安定な愛着が形づくられることがあります。
Q. パートナーを診断してもいいですか
A. 本人が望んでいないなら、やめておきましょう。ラベルを貼るために使うと、この記事で書いたとおりの流れになりがちです。関係がこじれる近道になってしまいます。相手が自分から知りたいと言ったときに、一緒にやってみてください。
Q. 回避型と不安型のカップルは無理ですか
A. 追いかける側と逃げる側で固定されると苦しくなりますが、お互いが自分の反応の出どころを理解できていれば抜けられます。二人でカウンセリングを受けるのも一つの方法です。
Q. 診断のたびに結果が違います
A. 相手や状況によって出方が変わるのは普通です。安定した相手といるときは安定型に近く、不安を刺激する相手といると不安型が強く出る。タイプはあなたの正体を言い当てるものというより、そのときの反応の傾向を映したものです。
Q. 子どもに影響しないか心配です
A. 完璧である必要はありません。失敗しても修復すること自体が、子どもにとっての学びになります。一貫して応えようと心がけていれば十分です。
Q. 試し行動をやめられません
すぐにやめられるものではありません。「あ、今試してるな」と気づけるようになるところから始めてください。気づいたあとで「さっきのは試してた。ごめん」と伝えられたら、それも十分な進歩です。
Q. パートナーがいないときのほうが楽です
実際にそうだと思います。関係がなければ、不安も起きません。一人でいることを選ぶのは自由です。ただ、「怖いから避けている」のか「本当に一人が好き」なのかは、分けて考えてみてください。
相談先
一人で抱えるのがつらいときは、こちらを頼ってください。
- よりそいホットライン:0120-279-338(24時間・無料)
- こころの健康相談統一ダイヤル:0570-064-556
※この記事は情報提供を目的としたもので、医学的な診断や治療に代わるものではありません。
まとめ
回避型の「一人で頑張る」も、不安型の「しがみつく」も、小さかったあなたが生き延びるために身につけた方法です。その時点では、それが最善でした。
いまはそれが合わなくなってきただけ。欠陥ではありません。
相手のタイプを調べる手が止まらないときは、スマホを置いて、自分がその関係でどうしたいのかを先に考えてみてください。答えが出なければ、まだ決めなくていい。「まだ決まっていない」と分かっているだけで、決めたつもりで確認を続けていた頃より、ずっと足元がしっかりしています。
時間はかかります。でも、変わります。獲得安定型という言葉があるのは、あとから変わった人が実際にいるからです。








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