
ChatGPTに占ってもらったけれど、当たらなかった。
「今は試練の時期ですが、数か月後に好転します。あなたのラグナは精神的成長の波に乗っています。金星の配置が愛と創造性をもたらします」
そういう、それっぽくて優しいことを言われて終わった。そんな経験はありませんか。
原因はたいてい一つです。渡している情報が足りていません。
生年月日だけでは、一般論しか返ってきません
「1990年5月10日、東京都生まれ。私の運勢を占ってください」
これだけだと、AIは太陽星座の一般論に落ちます。太陽が牡牛座なので地に足がついている。木星が5ハウスなので教育に恵まれる。そういう返しになります。
占星術の読みは、惑星がどの星座の何度にあって、どのハウスに入っていて、ほかの惑星とどういう角度を作っているか、その組み合わせから出てきます。生年月日という3つの数字だけでは、そこにたどり着けません。
計算は、まだAIに任せないほうがいい
「最近のAIは賢くなったから、生年月日と時間を渡せば計算してくれるのでは」と思うかもしれません。
ここは、今も外で計算したほうが確実ですし何よりAIに計算させると勿体無い。2026年1月に、アメリカの占星術ブログでChatGPTに出生図を計算させた検証が公開されています。
- 月の星座を射手座のところ蟹座と答えた
- 惑星の度数が4〜5度ずれていた
- チャートに一つしかないオポジションを見落とした
月の星座については、ChatGPT自身が、パターンから推測したものを確定したように話してしまった、と認めたそうです。4〜5度のずれは、アスペクトがあるかないかが変わってしまう大きさです。
AIは、渡された数字を読んで組み合わせる作業は得意です。一方で、天体の位置を自分で正確に求める作業は、性能にもよります。
データを渡すと、そこから先は処理します
私がやっているのは、こういう形です。
計算済みのチャートデータを、渡せるだけ渡す。惑星の度数、ハウス、アスペクト表まで全部。
太陽星座の一般論から、渡した配置の組み合わせから読んだ内容に変わります。
土星と火星のアスペクトが作る緊張、ラグナ・ロードの在住位置、ダシャーの切り替わりと配置の関係。指定した項目について、渡したデータをもとに処理します。
当たらないと言われているケースの多くは、AIの能力の問題より、材料を渡していないことのほうが原因です。
何を渡すか
具体的には、この4つです。
惑星の度数 各惑星が、どの星座の何度何分にあるか。逆行しているかどうかも含めます。
ハウス 各惑星がどのハウスに在住しているか。ハウスカスプの度数も渡せると、より正確になります。アセンダントとMCは必ず入れてください。
アスペクト表 ここがいちばん効きます。どの惑星とどの惑星が、どの角度で、オーブいくつで結んでいるか。表の形でそのまま貼り付けます。
ダシャー(ジョーティッシュの場合) 現在のマハーダシャーとアンタルダシャーの期間。切り替わりの日付も入れると、時期の話ができるようになります。
分割図を使うなら、D9やD10のデータも同じ形式で渡します。
多いと思うかもしれませんが、渡せるだけ渡すのが正解です。減らす理由がありません。
どこで計算するか
私はAstro GoldとiPhemerisというアプリを使っています。どちらも本格的な占星術アプリで、必要なデータが全部出ます。
ただ、有料アプリでなくても構いません。無料の占星術サイトでチャートを出せば、惑星の度数とハウス、アスペクト表はそろいます。出力をコピーして貼り付ければ、それで足ります。
インド占星術なら、サイデリアル方式(ラヒリ・アヤナムシャが一般的)で計算できるサイトやアプリを選んでください。西洋占星術のトロピカル方式とは、惑星の星座が20度以上ずれるので、どちらの方式のデータかをAIにも伝えておきます。
計算は外でやって、結果を渡す。この順番にすると安定します。
最近のAIで、できるようになったこと
この記事を最初に書いたころから、ChatGPTやClaudeでできることは、かなり増えています。占星術に使える変化を三つ挙げます。
チャートの画像を読ませられる
アプリやサイトのチャート画面を、スクリーンショットのまま渡せるようになりました。円形のチャートや、アスペクトの表を画像で貼ると、内容を読み取って分析してくれます。
ただ、惑星記号の細かい読み違いは起きます。画像で渡したときは、最初に「読み取った惑星の位置を一覧にして」と頼んで、自分のデータと合っているかを確かめてから、本題に入ってみると情報が合っているかも確認できます。文字でコピーできるなら、文字で渡すほうが確実です。
チャートを保存しておける
ChatGPTには「プロジェクト」という機能があって、無料プランでも使えます。プロジェクトにチャートのデータをファイルとして入れておき、指示文を書いておくと、そのプロジェクトの中で始めた会話では、毎回データを貼らなくても、それを前提に答えてくれます。ClaudeやGeminiにも、同じような仕組みがあります。
自分のチャート用に一つ、家族やパートナーとの相性用に一つ、というように分けておくと、使い勝手がぐっと良くなります。
じっくり考えてから答えるモードがある
答える前に時間をかけて考えるモードが、ChatGPTにもClaudeにもあります。ダシャーと配置の関係を追わせる、複数の配置の矛盾を整理させる、といった込み入った読みでは、こちらを使うと筋の通った答えが返りやすくなります。
渡し方の例
こういう形で貼り付けます。
以下は私の出生チャートのデータです。
【出生データ】
1990年5月10日 14時32分 東京都
【計算方式】
西洋占星術(トロピカル)/ハウスはプラシーダス
【惑星位置】
太陽:牡牛座 19°42'
月:射手座 3°15'
水星:牡牛座 28°07'
(以下、全惑星)
【アセンダント・MC】
ASC:乙女座 2°18'
MC:双子座 28°44'
【ハウス在住】
1ハウス:(在住惑星)
2ハウス:(在住惑星)
(以下、12ハウス分)
【アスペクト表】
(アプリやサイトの出力をそのまま貼り付け)
上記のデータをもとに、以下を分析してください。
(質問)
このあとに、次に書くプロンプトを足します。
前向きな答えに寄る性質があります
データを渡しても、もう一つ残る問題があります。
AIは、厳しいことを言いにくい傾向があります。だいたい希望のある結論に収まりがちで今は大変でも、そのうち好転する、という形になりやすいです。
これは、人間の評価をもとに調整されているためです。人は前向きな回答を好むので、そちらが選ばれやすくなります。相手が求めていそうな答えに寄っていく性質がある、と言い換えてもいいです。
占星術は本来、都合の悪い配置も含めて読むものです。そこが抜け落ちると、当たり障りのない励ましだけが残ります。
だから、この性質を明示的に外すプロンプトが要ります。
出力を締めるプロンプト
データを渡したあとに、これを足します。
希望論を禁じる
この回答において、根拠のない励まし・一般論・希望的観測は含めないこと。
不確かな部分は「不明」と明示し、確信度の低い主張には必ずその理由を添えること。
深さを求める
表面的な分析で終わらせず、3層まで掘り下げること。
「なぜそうなのか」「その根拠は何か」「反論するとしたら何か」を必ず含めること。
反証を求める
この分析に対して、反対意見を持つ占星術師はどう反論するか。
弱点・見落とし・代替仮説を必ず1つ以上挙げること。
この3つは占星術以外でも使えます。前向きに寄る性質はどの話題でも出るので、投資の判断でもキャリアの相談でも、同じように効きます。
インド占星術(ジョーティッシュ)のプロンプト
データを渡していても、何も言わなければ、無難な項目だけを拾います。見てほしい部分を指定してください。
以下はサイデリアル方式(ラヒリ・アヤナムシャ)で計算した私のチャートです。
(D1・D9のデータ、現在のダシャーを貼り付け)
以下を必ず含めて分析してください。
1. ラグナ・ロードの配置と強さ
2. 現在のマハーダシャー×アンタルダシャーの組み合わせと、その期間に出やすいテーマ
3. D9(ナヴァムシャ)チャートとの照合
4. ラーフ/ケートゥ軸の影響
5. 土星と火星のアスペクトによる緊張点
渡したデータに基づいて述べること。データにない情報は推測せず「不明」とすること。
仕事の時期を見たいならD10、結婚や配偶者のことならD9とヴィムショッタリ・ダシャーを中心に、というように、質問に合わせて渡すデータと項目を変えます。
西洋占星術のプロンプト
以下はトロピカル方式で計算した私の出生チャートです。
(惑星位置、ハウス、アスペクト表を貼り付け)
以下を必ず含めて分析してください。
1. チャートルーラーの配置と働き
2. 主要なアスペクト(特にスクエア・オポジション・コンジャンクション)
3. アングル(ASC・MC・DSC・IC)にある惑星
4. ステリウムと逆行惑星の影響
5. 最も困難な配置と、最も支えになる配置を各1つ
一般的な星座キーワードで済ませず、具体的な配置の組み合わせで語ること。
どちらのプロンプトも、最後の「データにない情報は推測せず不明とすること」は入れておいたほうがいいです。渡していない部分を、それらしく埋めてくることがあるので。
プロジェクトに入れておく指示文の例
プロジェクト機能を使うなら、毎回プロンプトを貼る代わりに、指示文として一度入れておけます。
あなたは占星術のデータを分析する補助役です。
・このプロジェクトに入れたチャートのデータだけを根拠にすること
・惑星の位置を自分で計算し直さないこと。データにない位置は「不明」とすること
・根拠のない励ましや一般論は書かないこと
・困難な配置も、支えになる配置と同じ重さで扱うこと
・結論ごとに、根拠になった配置を書き添えること
一度入れておけば、そのプロジェクトの中では「今年の仕事運を見て」と聞くだけで、データと条件を踏まえて答えてくれます。
ChatGPTとClaudeの違い
両方使っています。
使っている人が多いのはChatGPTだと思います。データを渡して項目を指定すれば、ChatGPTでも十分に読めます。伝え方が優しくて、同じ内容でも受け取りやすい言葉にしてくれる。しんどい配置の話をするときに、言い方が柔らかくなります。
Claudeは、込み入った配置の関係を追わせる作業や、厳しめに読ませたいときに向いている感じがします。
私はこう使い分けています。厳しく読ませたいときと、複雑な構造を追わせたいときはClaude。誰かに伝える形に整えたいときや、自分が落ち込んでいるときはChatGPT。
どちらが優れているという話より、性格の違いです。両方試してみて、自分の目的に合うほうを選んでください。
それでも残る限界
データを渡しても、AIが占星術を体系として理解しているわけではありません。
学習した占星術の文章から、渡された配置に合いそうな読みを組み立てています。だから教科書的な解釈は返ってきますが、流派によって解釈が割れる部分や、実際の鑑定で積み上げてきたような判断は出てきません。
もっともらしい用語が並ぶぶん、正しそうに見えてしまう点にも注意してください。反証を求めるプロンプトが効くのは、根拠の薄さが表に出るからです。
そして、何を聞きたいか自分でもわかっていないときでもAIはそれでも、いちばんそれっぽい答えを返します。的外れでも、それらしく返ってきます。
占いの現場で起きているのは、たいていそういうやりとりです。整理できていない人が来て、話しているうちに本当の質問が出てくるし自分自身で自分の課題が見えてきますし、シンクロニシティでたまたまヒントが出てきたり。まだAIは人間には勝てないです!!でもAI占いは結構使えます。
よくある質問
Q. AIの占いは当たりませんか
生年月日だけ渡していれば当たりません。惑星の度数、ハウス、アスペクト表まで渡せば、そこから先は処理します。
Q. AIに生年月日から計算させてはだめですか
計算は外でやったほうが確実です。2026年の検証でも、ChatGPTは月の星座を間違えたり、度数が数度ずれたりしていました。渡された数字を読むのと、位置を自分で求めるのは別の作業なので、確実なほうを選んでください。
Q. チャートの画像を貼るだけでもいいですか
読み取ってくれますが、記号の読み違いが起きることがあります。最初に読み取った惑星の位置を一覧にしてもらい、合っているか確かめてから質問してください。
Q. 有料アプリが必要ですか
必要ありません。無料の占星術サイトでチャートを出せば、必要なデータはそろいます。出力をそのまま貼り付ければ大丈夫です。
Q. ChatGPTとClaude、どちらがいいですか
データを渡して項目を指定すれば、どちらでも読めます。厳しく読ませたいならClaude、伝え方を柔らかくしたいならChatGPT。目的で使い分けてください。
Q. AIと人間の占い師、どう使い分けますか
データがあって、それを読ませたいならAIで足ります。何を聞きたいか自分でもわかっていないときは、人間のほうが向いています。
まとめ
AIの占いが当たらない原因は、たいてい渡しているデータが足りないことです。
惑星の度数、ハウス、アスペクト表。計算は外でやって、結果を渡せるだけ渡す。画像やプロジェクト機能を使えば、その手間もだいぶ減りました。
そのうえで、前向きに寄る性質を外すプロンプトを足して、何を見るかを指定する。
信じるより、道具として使う。そういう距離感がいちばん実用的だと思っています。
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