
「なるほどですね」
相づちとしてよく聞く言葉ですが、言われてモヤッとする人もいれば、何が悪いのかわからないという人もいます。上司に注意されて、初めて気になり始めた人もいると思います。
この記事では、「なるほど」がなぜ失礼と言われるのか、口癖になっている人の心理、言い換え方を書いていきます。最後に、言霊から見た口癖の話もしておきます。
「なるほど」が失礼と言われる理由
相手を評価しているように聞こえる
「なるほど」は、もともと「確かにその通りだ」と自分が納得したことを表す言葉です。
そのため、目上の人に使うと「あなたの話を聞いて、私が納得しました」という、少し上からの評価のように聞こえることがあります。ビジネスマナーの本や研修で「目上の人には使わないほうがいい」と教えられることが多いのは、このためです。
聞き流しているように聞こえる
「なるほど、なるほど」と続けて言われると、ちゃんと聞いていないように感じる人もいます。話の中身に触れずに相づちだけが返ってくると、流されている気がしてしまうんですね。
「なるほどですね」は言葉として不自然
「なるほど」に「ですね」をつけた「なるほどですね」は、丁寧に言おうとして生まれた言い方です。ただ、文法的には少し不自然なので、気になる人には余計に引っかかります。
世代によって受け取り方が違う
「なるほど」を失礼だと感じるかどうかは、人によってかなり違います。
ビジネスマナーとして「目上には使わない」と教わってきた人は、気になりやすい。一方で、そう教わったことがない人にとっては、ただの丁寧な相づちのひとつです。「はい」だけだと素っ気ないし、毎回「おっしゃる通りです」も大げさ。ちょうどいい言葉として使っているだけ、ということも多いと思います。
使っている側に悪気がないことがほとんどなので、言われてモヤッとしたときも、まずはそう受け取っておくと気持ちが楽です。
私自身、以前「なるほど」を使うのが禁止されている職場にいました。そのせいか、今でも自分ではあまり言いません。
ただ、一度禁止されると、今度は他人の「なるほど」がやけに耳につくようになるんですよね。そんなこと気にしなくていいのはわかっているのに、なんとなく引っかかってしまう。この記事を書こうと思ったのも、そんな自分の感覚がきっかけでした。
一方で、相手の話がよくわからないときに「なるほど」と返すのは、案外角が立たない使い方だとも思っています。わかったふりをするわけでも、話を止めるわけでもなく、ひとまず受け止めておける。そういう意味では、便利な言葉でもあります。
「なるほど」が口癖になる人の心理
本当に納得している
話を聞いていて、頭の中でつながった瞬間に「なるほど」と出るタイプです。このタイプは、「なるほど、つまりこういうことですね」と、そのあとに自分の言葉が続くことが多いです。
間をつなぎたい
何か返さなきゃと思ったときに、とりあえず出てくる言葉として使っているタイプです。会話が途切れるのが怖い、沈黙が苦手、という人に多いように思います。
自分の意見を出さずにすませたい
賛成とも反対とも言わずに、その場を流せる便利な言葉でもあります。本当は違う考えを持っていても、角を立てたくなくて「なるほど」で受け止めておく。そういう使い方をしている人もいます。
どれが悪いということではありません。ただ、自分がどの「なるほど」を使っているかに気づくと、言葉の選び方が変わってきます。
自然な言い換え方
目上の人に
- 「そうなんですね」
- 「おっしゃる通りです」
- 「勉強になります」
話をちゃんと聞いていると伝えたいとき
仕事の打ち合わせなどでは、相手の話を「つまり、こういうことですね」と自分の言葉で確かめると、ちゃんと聞いていることが伝わります。
ただ、ふだんの会話でこれをやられると、ちょっと面倒に感じますよね。友達や家族との会話なら、「へえ、そうなんだ」「それでどうなったの」と、話の続きを聞くくらいがちょうどいいと思います。相手が話したいことに興味を持って聞いていれば、相づちの言葉はそれほど気にされません。
口癖をやめたいとき
まずは自分がどれくらい言っているかに気づくところからです。親しい人に「言ってたら教えて」と頼んでおく、オンラインの会議を録画して聞き返してみる、などが手軽です。
言いたくなったら一呼吸おいて、別の言葉を選ぶ。それを何度か繰り返すだけでも、少しずつ減っていきます。
言霊から見た口癖
日本には昔から、言葉には力が宿るという「言霊」の考え方があります。くり返し口にする言葉は、自分の気持ちや人との関係にも少しずつ影響していく、というものです。
そう考えると、口癖は自分がふだんどんな気持ちで人と話しているかの表れでもあります。なんとなく流すための「なるほど」が増えているなら、人の話にちゃんと向き合う余裕がなくなっているサインかもしれません。
言霊については「言霊とは」でも詳しく書いています。
よくある質問
上司に「なるほど」をやめるよう言われました
その上司が気にしているなら、その人に対しては言い換えたほうが関係はスムーズです。ただ、「なるほど」自体が悪い言葉というわけではないので、自分を責める必要はありません。相手に合わせて使い分けられれば十分です。
部下や後輩に「なるほど」と言われてモヤッとします
悪気がないことがほとんどです。気になるなら、怒るより「目上の人にはこう言うといいよ」と軽く伝えるくらいがちょうどいいと思います。
まとめ
「なるほど」は、失礼な言葉というより、受け取り方が人によって違う言葉です。
目上の人には言い換えたほうが無難ですが、使ってしまったからといって気にしすぎる必要はありません。それよりも、相手の話にちゃんと耳を傾けているかどうかのほうが、ずっと相手に伝わります。言葉は、その気持ちについてくるものだと思います。








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