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「心が、ざわざわする」
理由はわからないのに、なんとなく落ち着かない。何かで気持ちを整えたい。
そんな時に、そっと寄り添ってくれる自然療法があります。フラワーエッセンスです。
この記事では、フラワーエッセンスがどういうものか、実際にどう使うのか、そして使う前に知っておいてほしい注意点までをまとめました。効果を保証する話ではありません。それでも、100年近く世界中で使われ続けている理由のようなものは、伝わるかと思います。
フラワーエッセンスとは
花のエネルギーを水に転写したとされる自然療法です。
1930年代、イギリスの医師エドワード・バッチ(1886〜1936)が体系化した「バッチフラワーレメディ」がその始まりです。バッチ博士は細菌学者でもあり、ホメオパシーの実践者でもありました。
博士は「病は心の不調和から生まれる」と考え、恐れ、嫉妬、絶望といった感情のバランスを整えることで、心身の健康を取り戻せると提唱しました。その考えにもとづいて選ばれたのが、38種類の花です。38種類はそれぞれ、38の感情の状態に対応しています。
アロマオイルとの違い
いちばん混同されやすいのが、精油(エッセンシャルオイル)との違いです。
精油は、植物から成分そのものを抽出したものです。水蒸気蒸留や圧搾によって、香り成分を物質として取り出します。だから香りがあり、薬理的な作用も持ちます。
フラワーエッセンスは、成分を抽出しません。中身のほとんどは水と保存用のアルコールで、花の物質はほぼ残っていません。香りもありません。花の波動やエネルギーが水に写るという考え方にもとづいたものです。
「香りで癒される」ものを探している方には、フラワーエッセンスは肩透かしに感じられるかもしれません。逆に、香りに敏感で精油が苦手という方には、選択肢のひとつになります。
どうやって作られるか
作り方は二通りあります。
太陽法。 晴れた日の早朝、満開の花を摘み、湧き水を張ったガラスの器に浮かべます。そのまま3時間ほど直射日光に当てます。繊細な草花に使われる方法です。
煮沸法。 木本の植物や、日差しの弱い季節に咲く花に使われます。花のついた枝を30分ほど煮出します。
どちらの方法でも、できあがった水を濾して、同量のブランデーを加えます。これが「母液(マザーチンクチャー)」です。母液を30mlに対して2滴の割合で希釈したものが、お店に並んでいるストックボトルになります。
花を摘むときは素手で触れないこと、という決まりもあります。作り手の影響を入れず、花だけの性質を写す、という考え方からきています。
効果はどこまで分かっているのか
ここは、はっきり書いておきます。
科学的な効果は証明されていません。
ランダム化比較試験を集めた系統的レビューが複数出ていますが、プラセボと比べて差が出た試験はありません。試験前の不安を対象にした研究がいくつか、ADHDの子どもを対象にした研究が一件ありますが、いずれも偽薬グループと変化に違いが見られませんでした。レスキューレメディを使ったストレス実験でも、水を飲んだグループと同じように緊張が下がっています。
一方で、有害事象の報告もほとんどありません。レビューの結論は「効果は認められないが、おそらく安全」というものです。
それでも、100年近く世界中で使われ続けているのも事実です。
「効くから使う」というより、「自分の感情に向き合うきっかけとして使う」。 そのくらいの距離感が、この療法には合っていると思っています。
使う前に確認してほしいこと
アルコールが27%含まれています
市販のフラワーエッセンスの多くは、保存料としてブランデーが使われています。レスキューレメディのラベル表記では、アルコール度数27%。 一回に使う量はごく少量ですが、原液の濃度としては決して低くありません。
そのため、次の方は注意が必要です。
妊娠中・授乳中の方。 微量とはいえアルコールが含まれるため、使用前に医師に確認してください。
お子さん。 少量でも与える前に、小児科医に相談することをおすすめします。
アルコールを避けている方。 治療上の理由、体質、信仰上の理由でアルコールを摂れない場合があります。断酒中の方も同様です。
特定の薬を服用中の方。 メトロニダゾールなど、アルコールとの併用で反応が出る薬があります。服薬中は主治医に確認してください。
ペット。 特に猫はアルコールの代謝が苦手です。動物に使う場合は、獣医師に確認してください。
なお、グリセリンベースのアルコールフリー製品も販売されています。心配な場合は、そちらを選んでください。
医療の代わりにはなりません
「薬を飲むほどではないけれど」と感じている段階でも、そこは自己判断しないでください。
眠れない、食べられない、日常生活が回らない。 そういう状態が2週間以上続いているなら、フラワーエッセンスより先に、医療機関に相談してください。
治療を受けながら、補助として使うことは問題ありません。代わりにしないでください。
38種類のバッチフラワー|感情別ガイド
バッチ博士自身は、38種類を7つの感情グループに分けています。恐れ、不確かさ、現実への関心の薄さ、孤独、影響の受けやすさ、絶望、他者への過剰な気遣い。この7分類は、いま読んでも実感に近い並びだと思います。
ここでは、日本の読者が自分の状態を探しやすい形に並べ直しました。
不安・恐れに
ミムルス:対象がはっきりしている恐れ。高所、病気、人前で話すことなど
アスペン:漠然とした不安。何が怖いのか自分でも説明できない状態
ロックローズ:強い恐怖、パニックのような状態
ミムルスとアスペンの違いは、恐れに名前がつくかどうかです。名前がつくならミムルス、つかないならアスペン。この線引きだけでも、自分の不安を眺め直す材料になります。
孤独・寂しさに
ウォーターバイオレット:孤立、他人と距離を置きすぎる
インパチエンス:焦り、他人のペースにいら立つ
ヘザー:寂しさ、誰かに聞いてほしい気持ち
この3つは、バッチ博士の分類でも同じ「孤独」のグループに入っています。いら立ちが孤独に分類されているのは、意外に思われるかもしれません。人を待てないほど急いでいる状態は、結果として一人になる、という見方です。
落ち込み・気力の低下に
ゲンチアナ:うまくいかなかった後の落胆、挫折感
ゴース:何をしても無駄だと感じ、希望を失った状態
スイートチェストナット:耐えがたいつらさ、限界に近い状態
ゲンチアナは一時的な落ち込み、ゴースはもっと長く続く諦めに対応するとされています。
他人の影響を受けすぎる時に
ウォルナット:変化への適応、外からの影響からの保護
セントーリー:他人に流されやすい、断れない
ホリー:嫉妬、怒り、疑い
引っ越し、転職、卒業、離別。生活が変わる時期にウォルナットが選ばれることが多いようです。
自己批判・完璧主義に
パイン:罪悪感、自分を責めすぎる
クラブアップル:自己嫌悪、清潔さへのこだわり
ビーチ:批判的すぎる、不寛容
パインは自分に向かう批判、ビーチは他人に向かう批判。この二つが同時に強く出ている方も少なくありません。
占いの席で聞いてきたこと
(※ここに綾さんの実感を入れてください。想定される内容:どの感情を訴える方が多いか、自分の感情に名前をつけられずに来られる方の様子、エッセンスを選ぶ過程で何が起きるか、など。捏造を避けるため空欄にしています)
レスキューレメディ|最初に試すなら
特に有名なのが「レスキューレメディ」です。5種類のエッセンスをブレンドしたもので、動揺した時に使われます。
中身は、ロックローズ(強い恐怖)、インパチエンス(焦り)、クレマチス(意識が飛んでいる状態)、スターオブベツレヘム(ショック)、チェリープラム(自制を失いそうな状態)。急な動揺の場面で起こりやすい5つの感情が組み合わされています。
試験前の緊張。人前で話す前の不安。眠れない夜。
数滴を舌に垂らすことで、気持ちを切り替えるきっかけになります。
ただし、事故や急病、強い体調不良の場面では、これに頼らないでください。 落ち着かせることより、必要な対応を優先してください。
初めて試す方には、まずレスキューレメディがおすすめです。1本で試せるので、自分に合うかどうかを確かめる入り口になります。
使い方
単品は2滴、ブレンドは4滴
滴数には、覚えやすい決まりがあります。
単品のストックボトルからは、いつでも2滴。 口に垂らすときも、コップの水に入れるときも、ブレンド用のボトルに加えるときも同じです。
ブレンドされたボトルからは、いつでも4滴。 レスキューレメディのような市販のブレンド品も、自分で作ったトリートメントボトルも、こちらになります。
回数は一日4回以上が目安です。起きた時、寝る前、日中に2回。多く飲めば強く働くというものではないとされているので、量より回数と考えてください。
トリートメントボトルの作り方
複数のエッセンスを組み合わせたい時や、長く続けたい時は、自分用のボトルを作ります。原液を直接使い続けるより経済的で、アルコールの摂取量も減ります。
- スポイト付きの30mlボトルを用意します。薬局で手に入ります
- 選んだエッセンスを、それぞれ2滴ずつ入れます(レスキューを入れる場合は4滴)
- ミネラルウォーターで満たします。炭酸水は使いません
- ここから4滴を、一日4回以上
冷蔵庫で2〜3週間もちます。持ち歩く場合や気温の高い時期は、ブランデー小さじ1杯を加えると傷みにくくなります。アルコールを避けたい場合は、りんご酢かグリセリンでも代用できます。
そのほかの取り入れ方
飲み物に入れる。 水やお茶に垂らして、一日を通して少しずつ。
お風呂に入れる。 バスタブのお湯に数滴。
スプレーにする。 水とエッセンスをスプレーボトルに入れて、寝室や仕事場に。
衛生面の注意として、ボトルの口を直接口につけないでください。 雑菌が入って傷みの原因になります。垂らす時は、少し離してください。
どのエッセンスを選ぶか
直感で選ぶ。 説明を読んで「これだ」と感じたものを。その感覚自体が、今の自分の状態を教えてくれます。
今いちばん強い感情から選ぶ。 不安、悲しみ、怒り。全部を拾おうとせず、いま前に出ているものひとつに絞るほうが、変化にも気づきやすくなります。
迷ったらレスキューレメディ。 万能タイプなので、さまざまな場面で使えます。
専門家に相談する。 フラワーエッセンスのプラクティショナーに相談する方法もあります。自分では見えていない感情を言葉にしてもらえることがあります。
なお、一度にたくさん揃えないでください。 38種類ありますが、全部を持つ必要はありません。今の自分に必要なもの1〜2本から始めるほうが、実際に使い切れます。
よくある質問
Q. 効果が感じられません
A. 即効性のあるものではありません。数日から数週間続けることで、「最近あまり不安を感じなくなったな」という静かな変化として現れることがあります。
効果を感じないまま続ける必要はありません。合わなければ、別の方法を探して構いません。
Q. 薬と一緒に飲んでも大丈夫ですか
A. 成分としてはほとんど水なので、一般的に相互作用はないとされています。ただしアルコールが27%含まれる製品が多いため、服薬中の方は必ず主治医に確認してください。 薬によっては、アルコールとの併用を避ける必要があります。
Q. ブランデーが入っているのが気になります
A. 温かい飲み物に垂らしてアルコールを飛ばす方法や、トリートメントボトルに薄めて使う方法があります。アルコールを避ける必要がある方は、グリセリンベースの製品を選んでください。
Q. 子どもに使えますか
A. 与える前に、小児科医に相談してください。アルコールが含まれる製品が多いためです。使う場合は、アルコールフリーのものを選んでください。
Q. 何本も同時に使っていいですか
A. 6〜7種類までを目安にブレンドすることが多いです。ただ、多く使うほど強く働くわけではないとされています。今いちばん強い感情に絞ったほうが、自分の変化にも気づきやすくなります。
Q. アロマオイルとどう違いますか
A. 精油は植物の成分そのものを抽出したもので、香りがあります。フラワーエッセンスは成分をほとんど含まず、香りもありません。併用しても問題はないとされています。
Q. どのくらい続ければいいですか
A. 決まりはありません。「そういえば最近使っていないな」と思う日が来たら、それが一つの区切りです。手放せることも、変化の一つです。
まとめ
フラワーエッセンスを使うことは、自分の感情に名前をつける作業でもあります。
38種類の説明を読んで、どれが自分に当てはまるかを考える。恐れなのか、寂しさなのか、諦めなのか。その過程そのものが、今の自分を知ることにつながります。
臨床試験では、プラセボとの差は出ていません。それでも、選ぶ時間そのものに意味がある。私はそう受け取っています。
風に揺れながら、雨に打たれながら、それでも花を咲かせる植物。その姿を思いながら、そっと数滴。
疲れた時、不安な時、誰にも話せない時に。
※フラワーエッセンスは医薬品ではなく、疾病の治療・診断を目的とするものではありません。心身の不調が続く場合は、必ず医療機関を受診してください。妊娠中・授乳中の方、お子さん、服薬中の方は、使用前に医師にご相談ください。







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