
体のだるさや痛みが続くときは、「人のエネルギーを受け取ったせい」と決めつけずに、まず医療機関で体の状態を確かめてください。
エンパスは医学的な診断名ではありません。
気質の傾向を知るためのセルフチェックとして使ってください。
全16問。
映画を見ていて、気づいたら登場人物と一緒に泣いていた。
友達の悩みを聞いているうちに自分までずっしり重くなって、家に帰ってからもその子の顔がちらつく。人混みに出た日は、夜にはぐったり。
こうした受け取りやすさを指して、エンパス(empath)という言葉が使われます。人の感情やエネルギーを深く感じ取る性質のことで、やさしさや思いやりの源であると同時に、相手の気持ちに押し流されて疲れやすい理由にもなっています。疲れ方には理由があるので、扱い方は練習できます。
診断でわかる4つの状態
見ているのは2つ。ひとつは、人の気持ちや場の空気をどれくらい「受け取るか」で、もうひとつは、受け取ったものから自分を守る「境界線」がどれくらい引けているかです。この2つの組み合わせで、今の状態が4つに分かれます。
「自分を守れるエンパス」は、受け取る力も、守る膜もある人。共感力を人のために使いながら、すり減る前にすっと離れることもできる。いいバランスです。
「すり減りやすいエンパス」は、受け取る力は強いのに、守る膜が薄くなっている状態です。人と会うたびに疲れて、自分の気持ちがどれなのかわからなくなることもあるので、この記事の後半「受け取ったあとの、自分の守り方」がいちばん役に立つタイプです。
「しなやかな共感タイプ」は、ほどよく受け取り、ほどよく流せる人で、自分の問題と誰かの問題を自然に分けられるぶん、人間関係で消耗しにくいのが強みです。
「人に合わせすぎるタイプ」は、受け取る力はそれほど強くないのに、境界線が引きにくいことで疲れている状態です。専用の章を下に用意しました。
受け取り方の傾向がはっきり出ている人には、いちばん強い形(感情・身体・直感)も表示されます。説明は「4つのエンパスタイプ」の章にあります。
エンパスは、共感力が高い人とどう違う?
エンパスという言葉は、empathy(共感)から来ていて、感情やエネルギー、ときには体の感覚まで、ほかの人のものを深く感じ取る人のことを指します。
共感力が高い、とは少し違います。
ふつうの共感は、相手がつらそうなときに心が痛むこと。エンパスは、相手の感情や体の感覚まで、自分の体で感じ取ってしまうんです。
コメディ映画を見ていたのに、隣に座った人がなんだか沈んでいて、その雰囲気に引っぱられるうちに、終わる頃には自分まで落ちこんでいた。エンパス気質の人には、こういうことがよく起きます。
ミラーニューロンの話は、どこまで本当?
エンパスの話によく出てくるのが、ミラーニューロン。
誰かの行動を見たときに、自分がそれをしているかのように反応する神経細胞のことで、共感の仕組みと結びつけて語られてきました。
ただ、ここは正確に書いておきます。
ミラーニューロンは、もともとサルの実験で見つかったもの。人間の脳で同じ細胞が働いているのか、それが共感をどこまで説明できるのかについては、研究者のあいだで今も議論が続いています。エンパスの人はミラーニューロンが特に活発だ、と言い切れる研究は見当たりません。
なので、そう説明されることもある、くらいに受け取っておいてください。とはいえ、仕組みがまだ解明されていないことと、その体験がないことはまったく別の話で、あなたが毎日感じている受け取りやすさそのものは、ちゃんと実際にあるものです。
HSPとの違い
エンパスは、HSP(Highly Sensitive Person)と重なる部分がたくさんあります。
HSPは、音や光、匂いなど、感覚の刺激全般に敏感な気質で、心理学の研究から生まれた概念として質問紙も作られています。エンパスのほうは、とくに人の感情やエネルギーに敏感な性質を指していて、スピリチュアルな文脈で使われる言葉です。
多くのエンパスはHSPでもありますが、HSPの全員がエンパスというわけではありません。
刺激全般の敏感さが近いと感じたら、HSP診断もどうぞ。
4つのエンパスタイプ
精神科医ジュディス・オーロフの分類に、ダークエンパスを加えた4つです。診断で表示されるのは、このうち感情・身体・直感の3つで、ダークエンパスは診断で判定するものではないので解説だけにしています。
1. 感情エンパス
職場でイライラしている同僚がいた日、帰宅してからも、なぜか自分がイライラしている。
感情をスポンジのように吸いこんでしまうタイプ。誰かが悲しんでいると、自分も深く悲しくなります。
そのぶん、誰かの気持ちを深く理解して、そっと寄り添えます。一方で、まわりの感情に圧倒されて自分の気持ちがわからなくなったり、境界線があいまいになって、よその問題まで自分のものとして抱えこんだりしがちです。
落ち着けるのは、静かな場所や一対一の深い対話。ピリピリした職場は苦手です。「今日は一対一の予定だけにしておこう」と組み立てられるようになると、ぐっと楽になります。
2. 身体エンパス
友達が頭痛を訴えていると、自分も頭が痛くなってくる。胃の不調の話を聞けば、自分の胃まで重くなる。
ほかの人の体の不調を、自分の体で感じ取ってしまうタイプです。具合の悪そうな人にいち早く気づいて、さりげなく席を替わったり声をかけたりできるのは、このタイプならではの力です。
むずかしいのは、どれが自分の症状なのか区別がつきにくいところ。
ひとつだけ、大事なことを。原因のわからない体調不良を、全部「受け取ったもの」で説明しないでください。検査でわかる状態もたくさんあります。体の側を先に確かめて、それでも説明がつかない部分についてだけ、この話を当てはめてみてください。
穏やかな環境や自然の中は落ち着きます。不調を抱えた人が多く集まる場所では疲れやすいです。
3. 直感エンパス
この人、何か隠している。そう、なんとなくわかってしまう。
感情だけでなく、考えや意図まで感じ取るタイプです。鮮明な夢を見たり、動物や植物の状態がわかる気がしたりもして、危ないものを察知したり、物事の本質をぱっとつかんだりするのが得意です。
つまずきやすいのは、二つの方向です。自分の直感を信じられずに「気のせい」と打ち消してしまうことと、逆に直感だけを根拠に、相手の内面を決めつけてしまうことです。
直感で感じたことは、相手に確かめるまでは仮説のまま、そっと置いておくのがいちばんです。当たっているかどうかは、結局のところ聞いてみないとわかりません。聞いてみて「実はね」と話してもらえたら、その直感は、相手を助ける力に変わっています。
静かな空間と自然が好き。騒がしい場所は苦手です。
4. ダークエンパス
感情を読み取る力を、自分の得のために使うタイプです。弱みを見抜いて利用したり、感情に訴える言葉で人を動かしたりします。
近年の研究では、ナルシシズムやマキャヴェリズムとの関連が指摘されていて、共感する力があっても、それを人のために使うとは限らない、という話です。
「もしかして私も」と不安になった方へ。
そう心配できる時点で、たいてい違います。実際にこの傾向が強い人は、自分の力の使い方を疑ったりしません。あなたが気にしているのはおそらく、人の感情に敏感すぎて、それを扱いきれずに悩んでいるほうです。
人に合わせすぎるタイプについて
頼まれると断れない。嫌われるのが怖くて本音が言えない。誰かの機嫌が悪いと、「私、何かしたかな」とぐるぐる考えてしまう。
診断で「人に合わせすぎるタイプ」と出た方は、エンパスというより、この断れなさで疲れている可能性があります。
こうした小さな我慢の積み重ねが、「人といると疲れる」の正体になっていることは少なくありません。受け取る力が強いから疲れるのとは原因が違っていて、原因が違えば、効くケアも変わってきます。
このタイプに役立つのは、浄化やバリアのイメージより、「No」を言う練習のほう。返事をすぐにせず「ちょっと考えさせて」をひと言はさんだり、ランチのお店選びのような小さなことから「私はこうしたい」を口に出してみたりするところから始めます。
断っても、関係は壊れなかった。その経験を、ひとつずつ。
具体的な言い方は、ACのための「No」の言い方|断り方の例文と、押し返された時の対処にまとめています。
断れない人は、「気が弱いだけ」と片づけられがちです。でも、断れない理由は人によってかなり違います。嫌われるのが怖い人もいれば、断ることが許されない環境で育った人もいるし、相手の事情が見えすぎて、断る言葉が出てこない人もいます。自分がどれに近いかがわかると、練習の仕方も変わってきます。
一度でも「今回はやめておくね」と言えて、それでも相手が普通に笑っていた。そんな日が来たら、大きな一歩です。
エンパスによく見られること
いくつ当てはまりますか。
- 人の感情が、伝染するように入ってくる
- 友達や家族から、よく相談される
- これは自分の感情か、相手の感情か、と混乱する
- 音、光、匂いに敏感
- 人といると疲れるので、一人の時間が必要
- 自然の中にいると落ち着く
- 表面的な付き合いより、深い関係を好む
- つらいニュースや暴力的な映像に深く傷つく
受け取ったあとの、自分の守り方
受け取りやすさは、急には変わりません。でも、受け取ったあとの扱い方は、練習でいくらでも上手になります。
「これは誰の感情?」と問いかける
基本の練習です。
気持ちが揺れたら、「これは私のもの? それとも受け取ったもの?」と一度だけ自分に聞いてみる。すぐに区別できなくて構いません。問いかける習慣がつくだけで、飲みこまれる深さが変わってきます。
境界線を引く
相手の機嫌は相手のもの。相手の問題は相手のもの。
頭ではわかっていても体が先に反応してしまうのがエンパスです。だからこそ、自分とほかの人とのあいだに線を引く練習が効いてきます。具体的な引き方は、境界線とは|5つの種類と、引けなくなった理由にまとめています。
一人の時間を、先に予定に入れる
毎日30分で十分。誰とも関わらない時間を、あらかじめ予定に書きこんでおきましょう。
空いたら取る、では取れません。先に確保しておくと、その30分を楽しみに一日を乗り切れる日も出てきます。
帰ったら、流す
人と会って帰ってきたら、シャワーを浴びる。手を洗う。着ていたものを脱ぐ。
受け取ったものを落とす動作として昔から使われてきた方法で、塩風呂を使うやり方もあります。詳しくは塩風呂の浄化効果とやり方と、浄化洗濯の方法に書いています。
グラウンディング
裸足で地面に立つ。自然の中で過ごす。根菜を食べる。
ふわっと上に上がってしまった感覚を、下に戻す作業です。自分に必要かどうかは、グラウンディング不足のサインで確かめられます。
光のバリアをイメージする
自分のまわりに、やわらかい光の膜がある。そう思い描くだけです。人混みに入る前や、気の進まない人に会う前に試してみてください。
消耗させる相手とは、距離を置いていい
全員を助けなくていいんです。
会ったあと毎回ぐったりする相手がいるなら、エナジーバンパイアとの付き合い方も参考になると思います。会う回数を月1回にする。そのくらいの調整からで十分です。
よくある質問
Q. エンパスは生まれつきですか A. 生まれ持った気質の面が大きいと考えられていますが、環境の影響もあって、安心できない環境で育った子どもが、身を守るために相手の感情を読み取る力を発達させることがあります。いつも周りを警戒している状態から来ている場合、それは気質というより、身につけた対処法です。
Q. エンパスとHSPの違いは A. HSPは感覚の刺激全般に敏感、エンパスはとくに人の感情に敏感、という違いです。由来も違っていて、前者は心理学の概念、後者はスピリチュアルな文脈の言葉です。
Q. エンパスは病気ですか A. 病気ではありません。ただ、境界線を引けずに消耗し続けると、うつや不安につながることがあります。
眠れない、食欲が変わった、気分の落ち込みが2週間以上続いている。こうした状態があるなら、エンパスだから、で片づけずに医療機関で相談してください。
Q. エンパスに向いている仕事は A. 人の気持ちを扱う仕事、創作、動物に関わる仕事などがよく挙がりますが、職業で決める必要はありません。今の仕事の中でも、その力が役立っている場面があるはずです。
Q. 疲れが取れません A. まず体の要因を確認してください。貧血や甲状腺の不調など、検査でわかるものがあります。詳しくは疲れやすいスピリチュアルな意味に書いています。
Q. 診断結果が当てはまりません A. 当てはまらないことも、一つの情報です。無理に当てはめる必要はありません。
相談先
体の不調が続くときは、まず内科などで体の側を確かめてください。気分の落ち込みや眠れない状態が続くときは、心療内科や、次のような窓口も使えます。
- よりそいホットライン:0120-279-338(24時間・無料)
- こころの健康相談統一ダイヤル:0570-064-556
まとめ
エンパスでいることが、重たく感じる日もあると思います。
それでも、受け取ったあとの扱い方は、練習で変わっていきます。一人の時間をとる。断る。自分を先にする。どれも、わがままとは違います。自分が満たされていてはじめて、その感受性を人のために使えるんです。
人混みから帰った夜、シャワーを浴びて「今日のはここで流しておこう」と思えた。そんな小さな切り替えができた日は、あなたの境界線がちゃんと働いています。
※この記事は情報提供を目的としたもので、医学的な診断や治療に代わるものではありません。








[…] エンパスのほうが近いと感じる方は、エンパス診断もあります。スピリチュアルな視点からのHSPについては、HSPはスピリチュアル的にどんな存在かにまとめています。 […]