
なぜこの人と出会ったんだろう、と考えることがあります。
うまくいっている関係なら、あまり考えません。たいてい、苦しいときに出てくる問いです。
スピリチュアルな世界には、この問いに答えを出す考え方があります。ソウルコントラクト、日本語では魂の契約と呼ばれるものです。
ソウルコントラクトという考え方
生まれる前に、魂が他の魂と学びの約束を交わしている。地球は魂の学校のようなもので、愛、許し、自己価値、境界線といった課題を学ぶために生まれてくる。その課題を運んでくる役として、家族や恋人、友人、ときには敵のような相手も、自分で選んできている。
これがソウルコントラクトの基本的な説明です。
記憶がないのは、覚えていたら経験にならないから、と説明されます。答えを知っている試験に意味がないのと同じ理屈です。
この説の出どころ
よく引用されるのが、マイケル・ニュートンの『魂の旅』(Journey of Souls)です。
ここは正確に書いておきます。ニュートンは心理学者と紹介されることが多いのですが、実際は催眠療法士です。カウンセリング心理学の博士号を持っていますが、この本の内容は、退行催眠を受けた人たちの語りをまとめたものです。
つまり、実験や観測で確かめられた研究ではありません。催眠状態で人が語ったことの記録です。
私はこの本を否定しませんし、読み物として面白いと思っています。ただ、科学的に証明された事実として紹介するのは違うので、そこは分けて扱ってください。
4つのタイプ
ソウルメイト契約。 恋愛関係とは限りません。家族、親友、恩師、飼っている動物まで含みます。深く関わって、支えになる存在です。人生の異なる時期に、別々のソウルメイトと出会うと考えます。
カルマ的契約。 過去世からの未完了の学びを完成させるためのもの、とされます。苦しい関係として現れることが多いタイプです。この扱いには注意が必要なので、別記事にまとめました。
ソウルファミリー契約。 何度も一緒に生まれてくる魂のグループ。今世は親子、次は友人、その次は恋人、と役を交代しながら関わり合うという考え方です。初対面なのに懐かしい、という感覚がこれに当たるとされます。
触媒契約。 短い期間だけ現れて、大きな変化をもたらす相手です。転職を勧めてくれた人、一度きりの会話で何かが変わった相手。目的が済むと関係が終わることが多く、疎遠になっても失敗ではない、と読みます。
この考え方が効く理由
正直に言うと、私はソウルコントラクトが実在するかどうかを断言できません。16年やってきましたが、そこは確かめようがないです。
そのうえで、この考え方には実用的な機能があります。
理不尽な出来事に、説明がつくことです。
意味のわからない苦しみは、意味のある苦しみより重くなります。人間は、理由のない痛みに耐えるのが極端に苦手です。「これには学びがある」という枠組みが入ると、同じ出来事でも抱えやすくなります。
もう一つは、立ち位置が変わることです。「なぜ私がこんな目に」から、「この関係から何を持ち帰るか」に問いが変わると、こちらに動く余地が生まれます。被害を受けた事実は変わりませんが、そのあとの選択肢が増えます。
この二つが、ソウルコントラクトという考え方の実体だと思っています。
ただし、耐える理由には使わないでください
同じ枠組みが、逆方向に働くことがあります。
学びだから、と考えることで、抜けるべき関係に留まってしまう場合です。
支配されている。暴力がある。お金を管理されている。別れようとすると脅される。こういう関係に「これはカルマ的契約だから」と説明をつけてしまうと、離れる判断が遅れます。
学ぶべきことは、そこにはありません。
見分け方はシンプルです。その関係の中で、自分が選べているかどうか。 選択肢がある状態なら、学びとして扱っても構いません。選べなくなっているなら、それは契約の話ではなく、安全の話です。
この場合は、公的な相談窓口があります。DV相談+(0120-279-889、24時間・無料)で、別れるかどうかを決めていない段階でも相談できます。
契約が完了したときの目印
学びが済むと、関係は自然に形を変えるとされます。
- 相手への執着がなくなっている
- 同じパターンが繰り返されなくなった
- その人のことを考えても、もう苦しくない
三つ目が一番わかりやすいです。嫌いなままでも構いません。思い出しても何も動かなくなったら、それが完了です。
好きになる必要も、感謝する必要もありません。
よくある誤解
運命だから変えられない。
違います。大枠が決まっているという考え方であって、その中でどう動くかは自由意志の範囲とされています。同じ相手と出会っても、そこから何を選ぶかで結果は変わります。
苦しい関係は耐えなければならない。
これも違います。学んだら手放していい、というのが本来の形です。耐え続けることが目的の契約は想定されていません。
ソウルメイトは一人だけ。
複数います。一人に絞る考え方は、ツインレイのほうです。
よくある質問
Q. ソウルコントラクトとツインレイは違いますか
A. 別の概念です。ツインレイは元は一つだった魂が分かれた片割れとされ、この世に一人だけという扱いです。ソウルコントラクトは複数の相手と結ぶものとされます。
Q. 自分で確認できますか
A. 断定的に確認する方法はありません。瞑想やジャーナリングで気づきを深める、アカシックレコードリーディングを受ける、といった方法が知られていますが、いずれも結果を検証できるものではありません。「この関係から何を持ち帰るか」という問いを続けるだけでも、実用上は十分だと思います。
Q. 辛い人間関係は、全部ソウルコントラクトですか
A. そう考えるかどうかは選べます。この視点が助けになるなら使ってください。ただ、スピリチュアルな説明と現実的な対処は並行させてください。距離を置く、専門家に相談する、といった手当ては、意味づけとは別に必要です。
Q. 相手も同じ契約を認識していますか
A. 認識していない前提で考えたほうがいいです。相手にこの話をしても伝わらないことがほとんどですし、伝えて理解を得る必要もありません。自分の側の整理として使うものです。
Q. 縁を切ったら契約違反になりますか
A. なりません。手放すことも選択のうちです。学びが済んだから離れる場合も、済む前に離れる場合も、どちらも自由意志の範囲だとされています。
まとめ
ソウルコントラクトは、出会いに意味を見出すための枠組みです。実在するかどうかは確かめようがありません。
ただ、意味のわからない苦しみに一つの説明を与えて、こちらに動く余地を作る。その働きは実際にあります。使いたい方は使ってください。
一つだけ気をつけてほしいのは、耐える理由に転用しないことです。学びは、選べる状態でしか成立しません。選べなくなっているなら、それは別の問題として扱ってください。







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