
「あなたの前世は、ヨーロッパ貴族のお姫様でした」
以前、都内の有名サロンで3万円を払って告げられた言葉です。正直、まったくピンときませんでした。ドレスを着て、舞踏会に? 私が?
その「ズレ」に、前世というものの面白さと難しさが詰まっているのかもしれません。
この記事では、多くの人が一度は興味を持つ「前世」や「魂の記憶」について、私の体験を交えながら、その意味と向き合い方を書いていきます。
「ここにいたくない」:魂が覚えている故郷
小さい頃、自分の家にいるのに、「帰りたい」という不思議な気持ちになったことはありませんか。
私は、ずっとその感覚を抱えていました。誰といても、心のどこかが一人だけ浮いている。この地球になじめない魂が、ふわっと漂っているような感じです。母によると、3歳の頃から「ここにいたくない」と泣いていたそうです。
スピリチュアルの世界では、これを「魂の故郷(ホーム)を覚えている状態」と呼ぶことがあります。何度も生まれ変わる中で、地球以外の場所にいた記憶を魂の奥に持っていて、その記憶が「還りたい」という気持ちを呼び起こす、という考え方です。
同じような感覚を持っている方がいたら、あなただけではありません。
父と同じ場所にあった、腰のアザ
私の腰には、直径7センチほどの濃いアザがあります。
これが、父とまったく同じ位置にありました。それから、小さい頃に眉間にあった赤いできものも、父方の祖母と同じ場所でした。こちらは、今はもう消えています。
ただの偶然でしょうか。
スピリチュアルでは、こうした生まれつきのアザ(バースマーク)は、魂が生まれ変わるときに刻んだ「目印」だと考えられています。前世で果たせなかった約束のしるし、あるいは、また出会うべき人へのサインかもしれない、というものです。
父と同じ腰のアザと、祖母と同じ場所にあった眉間のできもの。たまたま一致したというより、何かの魂のつながりが形になって現れたのかもしれない。そう思うと、不思議と腑に落ちるものがありました。
バースマークのスピリチュアルな意味
一般的に、生まれつきのアザには、次のような意味があると言われています。
前世の傷の記憶
前世で受けた深い傷が、生まれ変わっても同じ場所にアザとして現れる、という考え方です。魂が、その経験を「忘れてはいけない記憶」として刻んでいる、とも読まれます。
この考え方を広めたのは、アメリカ・バージニア大学の精神科医イアン・スティーブンソンです。「前世を覚えている」と話す子どもたちを世界各地で調べ、その子のアザが、前世の人物が負った傷の位置と重なる例を集めて、1997年に本にまとめました。ただ、この研究は科学の世界で広く認められているわけではなく、今も賛否が分かれています。
ソウルメイトや家族とのつながり
同じ位置にアザを持つ人同士は、前世からくり返し出会っている魂の仲間だ、という説があります。
とはいえ、私と父は、そこまで深い関係というわけではありません。生きている方向も違います。それでも、誕生日が近く、大きく言えば私も父も自営業で、同じような道を歩いているのかもしれません。そして父は、祖父と同じ誕生日で、祖父と同じ道をたどっています。アザや誕生日のように、形になって受け継がれているものがあるのだとしたら、家族のつながりは、思っているより深いところにあるのかもしれません。
今世のテーマを示すもの
アザのある場所が、その人が今の人生で向き合うテーマを表している、という考え方もあります。
体のこととして知っておきたいこと
スピリチュアルな意味とは別に、体のこととしても少しだけ。
生まれつきのアザの多くは、心配のいらないものです。赤ちゃんの眉間やまぶたに出る赤いアザは珍しくなく、成長とともに薄くなることがよくあります。アザの出やすさが、家族で似ることもあります。
ただ、アザやほくろが急に大きくなった、形や色が変わった、というときは、皮膚科で一度診てもらってください。スピリチュアルな意味を考えるのは、そのあとで大丈夫です。
ヒプノセラピーで見えたもの:「だから何?」から「だから私か」へ
前世を知る方法のひとつに、ヒプノセラピー(催眠療法)があります。私も体験しましたが、そこで見えたのは、孤独の中で祈りを捧げる、貧しい修道士の姿でした。
見た直後の正直な感想は、「だから何?」でした。
でも、時間がたつにつれて、「私が人一倍、孤独に強いのは、あの人生の経験から来ているのかもしれない」と、妙に腑に落ちてきたんです。
前世の記憶は、すぐに役立つ答えをくれるものではありません。ただ、今の自分の性格や、くり返してしまう人生のパターンの「ルーツ」に気づかせてくれることがある。体験してみて、そう思いました。
ちなみに、冒頭の「ヨーロッパ貴族のお姫様」という鑑定。今も「それは違う気がする」という感覚は変わっていません。前世鑑定は、言われた言葉を言葉どおりに信じるより、「なぜその言葉が出てきたのか」を自分の内側と照らし合わせることに意味があるのだと思います。
前世を知ることの、本当の意味
前世を知る意味は、「自分は何者だったか」を知ることではないと、私は思っています。
説明のつかない感覚、くり返す悩み、人間関係のパターン。それが前世から続く「魂の課題」の続きだとしたら。そう考えると、「どうして私はこうなんだろう」という疑問が、責める対象から、理解する対象に変わっていきます。
「貧しい修道士として、孤独に祈り続けた」という前世のビジョン。それが正確かどうかはわかりません。でも、私の「孤独への慣れ」や「内側を見つめる性質」を理解する、ひとつの鍵になったことは確かです。
よくある質問
前世鑑定は、どこで受けられますか
ヒプノセラピー、スピリチュアルカウンセラー、電話占いなど、いろいろな選択肢があります。選ぶときは、答えを押しつけてくる人より、自分の内側と照らし合わせるのを手伝ってくれる人を選んでください。値段が高いほど質がいい、とは限りません。3万円払っても、ピンとこないことはあります。
バースマークがない人は、前世と関係がないのですか
そんなことはありません。前世の影響は、アザ以外にも「くり返し見る夢」「特定の時代や場所への強い憧れ」「なぜか惹かれる人や文化」など、いろいろな形で現れると言われています。
ヒプノセラピーで、必ず前世が見えますか
見える人と、見えない人がいます。見えたとしても、それが本当の前世なのか、心の奥が作り出したイメージなのかは、判断できません。どちらであっても、「自分の内側が見せてくれたもの」として受け取ることに意味があると思います。
前世を知って、何か変わりますか
劇的に変わることは、ほとんどないと思います。ただ、今の自分のパターンや性質に「そういうことか」という腑に落ちる感覚が生まれることがあります。それが、自分を受け入れる糸口になることもあります。
あなたのアザにも、魂の物語があるかもしれない
前世は、証明することも、否定することもできません。
それが事実かどうかより、「そう考えることで、今の自分が理解できる」ことのほうが、私には意味があります。
あなたのアザや、くり返す悩み、説明のつかない感覚。そこに魂の物語が隠れているとしたら、一度だけ、その視点から自分を見てみるのも悪くないかもしれません。
前世や魂の記憶について、信頼できる人と一緒に見てみたい方は、こちらも参考にしてください。






